生命保険の罠・ウラ側
保険の入り方
保険は「貯金が間に合わない順」に加入を検討する。
たとえば、家族や子供がいる人(一家の大黒柱)の死亡保険金3000万はなかなか貯蓄で備えることはできないので、保険に頼る。(あくまでも定期保険で。貯蓄や投資は保険とは切り離して考えることが重要。)
医療保険は手術や入院に備えて10〜30万くらいのお金を貯蓄できていれば、保険に頼る必要はない。
そもそも全員民間の医療保険に加入せずとも健康保険に既に加入している。また、高額医療費制度があるので、月々の医療費がある一定額を超えた場合にはその超過金額は自費で払わなくてもよい。
(保険会社のパンフレットには小さく小さく記載してある。)
がん保険は診断一時金の100万を貯蓄できれば、これも保険に頼る必要はない。
保険会社の広告には「2人に1人ががんになる」と脅し文句がかいてあるが、がんになる可能性が高くなるのは65歳以降で、85歳をこえると2人に1人ががんになる。(そりゃそうだろう。)
著者の印象
後田亨氏は保険料の適正化、保険のわかりやすさを目指していいて、本気で保険業界を良くしたいのだなと感じる。
なにか保険について相談するならこの人に相談したいと思った。
- 作者: 後田亨
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/02/12
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セールストークへの返し
本の中のセールストークへの返しが秀逸だったので、抜粋する。
影響力で釣ろうとしてる?
「皆さん、はいってらっしゃいます。」
「皆さんって具体的に誰のことですか?私は保険会社に勤める皆さんが入っている保険商品を紹介してもらえるのなら、(加入を)考えてもいいと思っています。
本体でアピールできない商品
「特約が優れモノでして・・・」
「所詮は特約でしょ?メインの契約が必須であるかどうかが最優先の検討事項じゃないのですか。それに、そんなにいい特約なら、単品販売してくれたらいいじゃありませんか」
外資系会社のマニュアル≒オーダーメイド
「必要な保障はお客様の数だけあります。個々のお客様によって価値観が違ってくるからです。ですから、われわれ営業担当者と対面しながら、しかもオーダーメイドで設計するべきです。」
「『オーダーメイド』などというのは、設計する会社側の思い上がりではないですか?客からしたら、『営業担当者の数だけ提案もある。価値観だって私たちとは違うかもしれない』ということになってしまいます。そんな視点がないですよね。それに『オーダーメイド』といっても、一からではなくて既製の商品を選ぶだけじゃないですか。」
保険料で勝負できない
「会社によって保険料が違うのは確かです。しかし、最終的に大切なのは担当者です。アフターサービスは、保障の見直しも含めて保険料以上の大きな差がつきます。」
「営業の人は誰でもそう言います。だからあなたがベストであるかどうかは私にはわかりようがないんんです。」
情緒的な選択を迫る
「お守り代わりですよ」
「おかしなことをおっしゃいますね。保険に病気や事故を予防する力があるとでも思っているのですか?」
支払いが増える理由は妥当?
「保険金の支払いがどんどん増えているのです。」
「支払い件数ではなくて、契約全体に閉める支払い件数の割合を教えてください。そのほうが参考になります。」
年齢が上がると不利なのは事実だが…ただそれだけとも言える
「お誕生日がきたら保険料が上がってしまいます。その前に入りましょう。」
「他社で入ると、年齢が上がった後でも今提示されているプランよりもっと安いかもしれないじゃないですか。全社の商品と比較する表でも作ってもらえますか」
誰に人気があるかが問題だ
「すごく人気がある商品です。」
「保険会社の人、つまり保険のプロにすごく人気があれば考えます。契約者に占める同業他社の人たちの割合を教えてください。」
誰が安心するのかが問題だ
「入っておけば安心です。」
「確かに保険金が支払われるケースは何度も聞いていますけど、『そういうこともある』という話ですよね。それで、どうして『入れば安心』と言えるのですか?根拠は何ですか?はたして保険料に見合う契約内容なのか、『不安』で仕方がないのです。コストパフォーマンスの高さなどを数字で示してもらえますか?」
顧客本意とは言うけれど…
「顧客本意の営業をやっています。」
「でもあなたは、所属している会社の保険を売らなければ稼げませんよね。ほかの会社にもっといい保険があるかもしれないと思うんです。」
「でも、おたくは保険会社からの手数料で成り立っているんですよね」